こちらはAlgoliaのGo To Market戦略担当のプロダクトマネージャーのTanya Hermanが書いた 5 reasons why retailers move from a monolithic to headless architecture の翻訳です。
eコマース業界は、ここのところ、大きな変化を遂げてきており、その結果、将来に対応した技術スタックアーキテクチャが必要となってきています。多くの従来型のリテール企業は、デジタルを専業にしているリテール企業との厳しい競争にさらされいて、今までとは異なる領域で競争していることを理解してきています。このような変化においては、新しい機能群、業界標準、そして、特有の要件といったものが伴ってきます。
モノリシックなeコマースプラットフォームのアーキテクチャで運用しているリテール企業は、機能面でもスケーラビリティの面でも制限に直面することになってしまいます。さらに、ヘッドレスやコンポーザブルアーキテクチャに移行できない企業にとっては、将来の成長の機会にも見放されてしまいます。
モノリシックアーキテクチャ
典型的なモノリシックなアーキテクチャは、その性質上とても制約が多くなってしまいます。一方で、ユーザーにとっては”全てが一箇所に”あることを可能にするものの、最新のeコマースプラットフォームが競争力を維持して早いペースのリテール業界に必要な優れたデジタル体験を提供するには最適とは言い難いパフォーマンスとなってしまいます。ビジネスロジックがモノリスなフレームワークの中に閉じ込められてしまっていると、小さな変更を加えるだけでもチーム間の調整が必要になってしまい、機動力が下がり、複数の失敗や不必要な複雑性が生じることになります。
ヘッドレスアーキテクチャ
ヘッドレスアーキテクチャは、フロントエンドとバックエンド(eコマースソリューションが提供するロジック)を切り離して、重要なバックエンドシステムの各イテレーションの影響を心配することなく、お客様の体験とインタラクションにフォーカスできるようにするというものです。ヘッドレスアーキテクチャとは、eコマースプラットフォームの背後にあるコマースロジックが、APIを通じて提供される”core body”として機能することを意味します。この”body”はお客様と接するタッチポイント(トランザクションが行われるところ)や従業員が接する内部システムのインターフェースである”head”に接続されます。
コンポーザブルアーキテクチャ
コンポーザブルアーキテクチャは、ヘッドレスが提供する柔軟性を更に一歩前に推し進めるものです。ヘッドレスコマースのビジネスロジックは、現在使われているメインプラットフォームがフルスタックである場合、時としてこれがモノリスとなってしまい、プラットフォームの機能を制限してしまうことがあるということです。コンポーザブルコマースにおいては、それぞれの要素が互いに完全に独立して動作し、システムの他の部分に影響を与えることなく置き換えを行うことができるアーキテクチャを提供します。各要素は”パッケージ ビジネス ケーパビリティ(PBC)”と呼ばれます。各PBCにおけるゴールは、とてもスペシフィックな問題を解決し、それが簡単に実装でき、そして、APIレイヤーを通じてシステム内の他の部分と接続可能であるということです。このセットアップによって、eコマース企業は、best-of-breedな要素を組み合わせることで、ユニークなユースケースやビジネスニーズであっても、それに最適なアーキテクチャを実現することができます。
なぜヘッドレスに移行するのか?
ヘッドレスアーキテクチャへのデジタルトランスフォーメーションのメリットは、フロントエンドとバックエンドの切り離しから生まれてきます。分離されたアーキテクチャによって、企業は最適なビルディングブロックを選択することができ、社内/社外のあらゆる変化に迅速に対応していくことができます。
ヘッドレスアプローチの採用の結果として、リテール企業には以下のようなメリットがあります:
- 柔軟性 – 制限されたケーパビリティしか保持しないような単一のソリューションへの依存からの脱却
- スピード – 迅速で且つ簡単なデプロイ、変更、イテレーション、そして戦略の修正
- カスタマイズ – 各ユースケースに最適なビルディングブロックを選び、カスタムソリューションを構築
- オムニチャネル化 – あらゆるプラットフォームやデバイスで最高のエンドユーザー体験をお届け
今後の成長と機会
- Mobileや音声といったチャネル、ソーシャルコマース、ライブストリーミングコマース、、といった急速に復旧している新しいトレンドにアクセスおよび連携する
- より良いユーザー体験を提供することで、収益の増加に繋げる
- 消費者の習慣の変化に合わせて、お客様が選択するプラットフォームでのサービス提供により、マルチチャネルなユーザーエンゲージメントとロイヤルティを向上させる
eコマース業界をリードする企業のトランスフォーメーションの成功例:
- From stale monolith to Headless PaaS: CHRONEXT’s journey to a future-proof e-commerce PWA
- Gymshark’s journey to MACH: The practical case for search and navigation
まとめ
モノリスからヘッドレスやコンポーザブルへのアーキテクチャの移行によって、eコマース企業が得られるメリットはたくさんあります。例えば、一つのツールに制限されることなく、特定のユースケースやニーズに応じて最適なソリューションを構築してカスタマイズすることのできる柔軟性、イテレーションや新しいプロダクト/サービスの立ち上げのスピードの加速、プラットフォームやデバイスによらない最高の顧客体験の提供といったことが挙げられます。この移行は、将来の戦略的な成長機会を解き放つものと言えます。
ヘッドレスアーキテクチャへの移行を計画しているものの、どこからはじめれば良いか分からない、もしくは、もっと情報が欲しいという方はお気軽にお声がけくださいませ。
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