こちらはAlgolia Blogの What is AI-powered site search? の翻訳記事です。
AIの出現に伴ってAlexaやGoogle検索、そして自動運転などのサービスが可能になりましたが、次世代の検索においてもAIが中心的な役割を果たすものといえるでしょう。今までは検索ボックスに文字を入力するとほとんどのユーザーに同じような結果が返っていましたが、現在ではAI技術の発展によって、ブラウジング履歴、使われた単語に関連する共通のインテント(意図)、類似の検索から得られるよりパフォーマンスの高いコンテンツなどによるリアルタイムに調整された、より適合性の高い検索結果をもたらすことが可能になってきています。AI-poweredな検索には、あなたのサイトのユーザーが求めているものを正確に提供できるポテンシャルがあり、顧客満足度の向上、より高いコンバージョンレート、そして売上の増加といったビジネスゴールの達成に貢献をすることができます。
しかし、AI-poweredなサイト検索とは実際には何を意味するのでしょうか?そして、ビジネスにとってそれは注視するに値するものなのでしょうか?
サイト検索とは?
74%ものユーザーは購買体験に対して難しすぎると感じるとブランドを乗り換えてしまう傾向があり、検索を行ったユーザーのコンバージョン率はおよそ2倍になる、といったことから、サイト内検索は重要な顧客体験といえます。シンプルに言えば、サイト内検索は、あなたのサイトのコンテンツを簡単に見つけることを可能にし、顧客満足度の向上とユーザーのあなたの会社へのエンゲージメントが高まることを意味します。
素晴らしい検索機能は競合優位性をもたらしますが、そのニーズは複雑化してきています。NetflixやPinterestのようなサイトのおかげで、ユーザーは瞬間的にパーソナライズされたコンテンツを取得できることを当然のように思っています。AI-poweredな検索はそういったユーザーの期待値と検索体験において不足する部分とのギャップを埋めることができます。
AI-poweredなサイト検索とは?
AI(人工知能)は、人間のインテリジェンスを模倣するように、データをインプットにして学習をして適応させることができるコンピューティングの1つの分野になります。AI-poweredな検索では、ユーザーのデータからプラットフォームが学習をして、最も正確で適合度が高い検索体験を自動的に生成します。この学習は、リアリタイムで行われ、人間が検索するうちにバックグラウンドで検索結果のチューニングが行われます。リファインメント(絞り込み)はAIシステムにプログラムされた複数のファクター、例えばユーザーの過去の購買履歴、一般的なスペルミス、クエリされた言葉の背後にあるインテントなどによって行われます。
こういった事柄の多くは検索プラットフォーム上で手動もしくはコード化して調整が行われていますが、AIにおいては、人間による介入無しに、それらのタスクを実施する能力を保持します。更にインテリジェントなマシンは、精度と適合性のためにシステムをアジャストし、時間を経るごとにその能力を – 人間のように – 向上させていくことができます。
AI-poweredな検索は例えばPinterestでは、毎月人々が行う何百万枚ものイメージベースの検索からAIがを学習を行うといったように、検索の裏側で用いられています。3億2000万人以上のアクティブユーザーが数十億の”pin”をしていて、その豊富なデータを深層学習モデルに送り込むことによって、それぞれのユーザーにあったパーソナライズされた結果を表示させています。例えば”diy kitchen cabinets”と検索すると”How to build your own cabinets”から”Before and after kitchen transformations”に至る結果が返ってきます。ユーザーがよりpinをクリックすると、モデルはその意図をより良く理解し、検索結果はさらに絞り込まれます。
どのようにAI検索は動作するのか?
検索におけるAIは通常、検索の裏にある意図を決定し、ユーザーが欲しいと思うものを返すための機械学習および自然言語処理(NLP)のサブセットのことを意味します。
NLP と 機械学習
人間による話し方を理解して、それに適切に対応を行うということは、人間は非構造的な性質と多様性のある話し方をするために、機械にとっては大きなチャレンジであるといえます。会話においては”hot chili”と”spicy chili”といったような類義語を用います。時に私たちは曖昧な”Who crushed it at the Grammys?”といったような表現をしたりします。
NLPを用いることで、コンピューターは言語パターンを抽出し、言葉の関連性を認識することで、人が本当に求めているものを理解することが可能になります。NLPはAlexaやSiriのような音声アシスタントの中心であり、Googleがインテリジェンスエンジンに2865冊のロマンス小説を読み込ませ、AIを強化させたのはそのためです。
コンピュータープログラムが自動的に人間の言葉を理解して自動的に行動し、時間の経過とともにより良くなっていくようなレスポンスを提供するためには機械学習が必要となります。機械学習はマシンに行動を起こさせるサイエンスであり、それは明示的に数式がプログラムされている必要はありません。マシンはシステムに入力されたデータを解析し、アルゴリズムを使ってパターンや繋がりを継続的に発見し続け、ヒューマンタスクであれば数週間から数年かかるようなタスクを実行します。このようなタスクには”best political biographies”を検索している人に、似たようなユーザーが買った本をレコメンドしたり、”easy zuchini bread recipe”のようなスペルミスを自動的に検出して、検索結果においてはそれらのエラーが補正されるようにするといったことが含まれます。
AI-powered検索へのニーズは高まっている
人々が検索するやり方やマシンとのインタラクションに関連する期待値は急速に高まってきており、AI poweredな検索が中心的な役割を果たすようになってきました。
セマンティックサーチ
2021年の今、”best hand sanitizers”で検索すると、他に何も指定をしなくてもCOVID-19に効果的なプロダクトのレコメンデーションを受けることができますが、これは2019年に得られた結果とは大きく異ると思います。人間が入力した正確な言葉そのものに頼るのではなく、クエリの文脈的な意味を通じて検索する人の意図を理解することは、セマンティックサーチと呼ばれるドメインになります。検索エンジンがクエリの意味を理解し、人々がより簡単に検索エンジンを使うことが浸透すると、期待値は変化をしていきます。NLPと機械学習を用いたAIを活用したセマンティックサーチは、検索が独立して機能し、より適合度が高い検索結果を返すことが意味します。
音声およびビジュアル検索
検索はテキストベースの入力というものを超えて、音声での検索やビジュアルでの検索が急速にモバイルでの検索で好まれる方法となりつつあり、AIを活用した検索の利用の道がよりオープンになってきていると言えます。ガートナーは2023年までに顧客との対話の70%がスマートスピーカーやアシスタントとの音声のやりとりではじまるようになると予測しています。コンピュータービジョンの進化と機械学習の組み合わせによって、コンピューターは画像において何が”見える”のかを解釈し、ビジュアルな検索を実行できるようになりました。
音声検索において大部分を占める、コンピューターが会話言語を理解する能力についても、AIによって急速に進化しています。例えば、モバイルデバイスに”What is Justin Timberlake’s latest song?”と聞いて、”Play it”と付け加えれば、特にその”it”について何も説明しなくても、その曲を再生することができるでしょう。
このトレンドは、eコマースショッピングにおけるモバイルデバイスへの依存度が特に高いGen Zとミレニアル世代において顕著で、ViSenzeの調査によると、これらのグループのコンシューマーのうち62%がビジュアル検索(テキストではなく画像を使用)を使えるようにして欲しいと考えていることが分かりました。しかし、別の調査では、マーケティング担当者の72%がビジュアル検索のオプティマイズに関してプランを持っておらず、音声検索のオプティマイズを来年計画しているのも35%にとどまっていることから、競合他社より一歩先に出たい企業にとってはチャンスとなる可能性があります。
リテーラーのForever 21はこのトレンドを活用し、人々が撮影した写真を元にして洋服を購買できるAI poweredなビジュアル検索ツールをローンチしました。ビジュアル検索を利用したお買い物客の中で、最初の1ヶ月でコンバージョンが20%も増加したと同社はレポートしています。
モバイル上でのビジュアル検索と音声検索は、これからよりポピュラーになっていくと考えられます。AIを通してこれらのモードをサポートすることを今のうちから試みている企業は、そのサービスを顧客に提供することで金銭的な利点を享受することができ、より良いポジションに立つことができるでしょう。
AI-poweredな検索によるベネフィット
検索におけるAIのユースケースやオポチュニティが増えるにつれて、ユーザーとの日々のやり取りが行われる中で、AIを活用した検索がビジネスにもたらすメリットが徐々に明らかになってきています:
- 大規模でのオプティマイズ
- 検索レコメンデーションの向上
- パーソナライズの精度向上
- より高い顧客満足
- コンバージョンの増加
- スペルミスの訂正やシノニムの特定など、日々発生する検索周りの手作業からの解放
検索にAIを持ち込む方法
Algoliaでは、お客様に出来る限り、ベストなSearch and Discovery体験を提供したいと考えています。Algolia AIは、ビジネスゴールを達成するために検索体験をコントロールおよびカスタマイズする柔軟性を備え、既存のスタックの中でAIを活用することができるSaaSベースのソリューションファミリーです。Algolia AIは、ユーザーとその意図を理解して、最も適合し、パーソナライズされた検索体験を提供するためのデータの活用が可能にします。
私たちのAIソリューションはお客様のお役に立ちます:
- あらゆる言語におけるユーザーと、そのクエリの全体的な意図を理解します。Algoliaの自然言語処理を活用することで、あらゆる言語のクエリをサポートします。Algolia Understandの自然言語理解を使って、クエリにおける最も重要なエンティティを理解することで、AIを活用して”Are online returns free?”といった複雑なクエリを理解することができます。Algolia AnswersはAIを使って企業のインデックスデータをセマンティックに検索し、クエリ内の単語に完全に一致するものではなく、ユーザーの意図に基づいて最もふさわしいコンテンツを見出し、検索の精度をより向上させます。
- 最高の結果を出します。AIを使って共通のシノニム(類義語)を見出し、そのシノニムの導入を提案するDynamic Synonym Suggestionsを活用することで検索キーワードの適合度を強化します。また、AIによるDynamic Re-rankingは各検索におけるbest-performingなプロダクトを表示させることで、コンバージョンのレベルを高めていきます。
Algolia AIの機能についてはこちらのWebinarもあわせて御覧ください
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