去年に引き続き(http://shinodogg.com/?p=3082)、今年もAgile Conference Tokyoに行ってきました。
会場は、江東区文化センターっていうところ。
去年と違って、オライリーのガチャガチャとか、書籍の販売とかはなく、手作り感のあるイベントでした。
今回の目玉はなんといっても、大御所のMartin Fowlerの話が聞けるっていうこと。
個人的には新卒で入った会社のチームがXPな感じだったので(2002年に文系の学部を卒業してエンジニアになりました)、
それ系の本をちょいちょい読みながら実践してたのですが、ファウラーの本って言ったら、
・リファクタリングは相当グッときたけど、
・アナリシスパターンは難しくて読破出来ず、
・PofEAAは訳がイケてなさすぎて英語版買ったけど、英語じゃ読めねーよ的なw
なんていう感じです。
とかいう前置きはさておき、、
■ チャリティーグッズ
先日、ThoughtWorksのシドニーのオフィスを訪問させていただいたのもあって、
最近メッキリThoughtWorksファンなので、チャリティはバックパックを応募させていただきました。
↓なかなかイカしたナイスなリュックでございます。
http://pw.tech-arts.co.jp/act2011/charitygoods.html#backpack_book
■ 21世紀のソフトウェアデザイン | Martin Fowler
# 自分の所感も入ってるので講演の内容以外も入ってるかもw
– Agileの背景について
1990年代くらいにプロジェクトが失敗してUnhappyなプロジェクトの事例が多かった。
その中からPlan Driven Processってのが出てきた。有名なのがCMM。
でも、それってちょっと違うんじゃね?って人たちがやりはじめたのが、XPだったりScrumだったり。
Agile Manifesto(http://agilemanifesto.org/iso/ja/)から早10年。
– Semantic Diffusion(http://www.martinfowler.com/bliki/SemanticDiffusion.html)
関わる人が増えて、伝言ゲームみたいのが増えると、わけわかんなくなるよね、と。
Agile屋にはとてもストレスフル。
– AgileはAdaptive, PlanはPredictive
Plan
建築とかロボットとかガッチリ設計されてないと作れない。Planはそういうのがバックグラウンド。
英語だと “Plan your Work” and “Work your Plan” なんていう風に表現されるアプローチ。
PlanはRequirementにかなり依存する。凄くハッキリして安定しているRequirementってSoftware開発には稀。
Planはプロセスが大事。プロセスに人を当て込んでいく。
が、プロセスがしっかりしてても、人がイケてないとうまくいかない。イケてる人もイケてない人に合わせてしまう。
Agile
Requirement依存から脱却。常に進んでいくアプローチ。
Agileは人重視。イケてる人がやり易いやり方で。プロセスありきから人ありき。Adaptive Planning。People First。
自分たちで選んだやり方だから、イケてる人の自発性をより引き出せる。
形容詞のperfect(完全な)ではなく、動詞のperfect継続して完全にしていくっていうアプローチ。
– 継続的インテグレーションと継続的デリバリー
Integration
大変だからあんまりやらない方がイイ?(ファウラーの若い頃の体験)
複数の開発者が実装したモノのマージ→Textualは簡単だけど、Semanticなところはわからない。
ツールを使っても難しい。痛みが伴う。
痛みが伴うことが予め分かっていると、マージにビビって開発者が消極的になってしまう→品質が落ちてくる。
どうせ痛むのであればもっと頻繁に細かく。リスクの高いビッグマージを最後にもってくるのを避ける
Delivery
非常に簡単に出来て、オートメーション化されている事。
金曜日にきちんと飲みにいけるように。イギリス人にとって金曜の夜に飲みいくのは大切なこと。
→日本だと花金。通訳の方GJ。
OSやブラウザの差分を埋めるテストツールとか。
■ Thoughtworks社による海外導入事例 | Jez Humble
# 去年は割とテクニカルな話題がありましたが、今年は概念的な感じでした。
– Why Agile?
スタートアップ企業が2~3ヶ月でサービスをリリースするのに対し、
大企業が似たようなサービスを半年~1年でリリースしているようだと、出し抜かれ兼ねない。
Y!(大企業的なSlowなプロセス)はFlickr(素早いプロセス。1日に何度もリリース)を買収した。
Flickrはステーブルだし顧客の満足度も高い。
– 事例1(http://www.thoughtworks.com/guardian)
ガーディアンというイギリスで有名な新聞のウェブサイト。
既存システムでは複数のレガシーなコンテントマネージメントシステムを使っていた。
SNSと繋いだり、よりインタラクティブなシステムへ更改。一度失敗していた。
最初の2週間はラフ案を出す期間として。その後の8ヶ月間で旅行に関する部分をリリース。
オープンで最先端の技術を使用しつつ、旅行の業務要件にフォーカスして作る。とにかく1機能だけでも出す。
その後、フィードバックを受け入れながら、政治とか、金融とか、インクリメンタルに作っていく。
どんどんスピード上がっていく。最終的に22回リリースを繰り返した。
– 事例2(http://www.thoughtworks.com/trainline)
thetrainline.comという旅行系のウェブサイト。エンドユーザーとパートナー両方を満足させる。
イギリスとインドの200人体制で開発。かなり大規模なプロジェクト。
自分たちがやりやすいThoughtWorksのALM(Application Lifetime Management)→Mingle、Go、Twist
6週間ごとのイテレーションでリリース。
– 今はAgileが主流になってきている
37%がAgileで一番ポピュラー。28%は特にプロセス無しw
Agileの一番の障壁は組織的な部分。
– Value
do less。ほとんどの機能が使われてない。無駄。ユーザーが使わなければ価値がない。
iPhoneの初期バージョンは機能が少なかった。フィードバックを受け入れつつ、、
– イノベーティブなモノの作り方
何が欲しい?って聞いてから作る。パッといきなりひらめく。
→違う。仮設、最小限の実装、リリース、フィードバックを繰り返す。Eric Riesのリーンスタートアップに関する本。
– Continuous Delivery
3つ。Automation、Pattern Practice、Collaboration
– Quality
いつでもテスト。とにかくテスト。
品質に責任を持つのはテスタだけじゃない。全員で責任を持つ。
イノベーションに責任をもつのはひらめき屋だけじゃない。全員で。
– Enabling agile
デカイのを小さいのに分ける→Amazonならレコメンド、ショッピングカート、、
フィードバックループ→顧客、テスタ、開発、、いろんなところからのフィードバック
継続的なインプルーブメント→振り返りはAgileの根幹
■ 海外での実践状況と高品質でAgilityを高める“機械化”について
#ThoughtWorksの2人と比べてスライドのクオリティの差が顕著でした。。
SAMSUNGは何百人規模のアジア最大級のアジャイル開発プロジェクトをやってる。
名刺交換したらアジャイルxxなんていう肩書きが書いてあったりしたらしい。
アジャイルといったら、去年まではコンセプト的な話が多かったが、今年は実例がバンバン出てきてる。
なんとなく表面的に採用してフィードバックや振り返りがないようなプロジェクトは失敗してる。
その後、IBMのツールの使い方の紹介。
■ 継続的フィードバック
マイクロソフトの開発ツールの話。去年も度肝を抜かれましたが、相変わらず半端ない。
一番驚愕だったのは↓のような事が出来る。
====
・テスタが仮想環境上でテスト
↓
・テストしたオペレーションが動画で保存される
↓
・開発者に渡す不具合修正のチケットには動画+仮想環境が渡される。再現させる手間とか無し。
====
また、各ツールのリポジトリが統一されていて非常にシームレスな連携。
■ Rubyによるアジャイル開発事例
顧客、開発会社、コンサルというプレーヤーがいる中で、コンサルの人の話。
顧客や開発会社視点での現場感のある話は聞けず。
■ 技術開発現場のノウハウ共有に手をかけるな!アジャイル開発でよみがえった、プロダクト開発
大企業から独立した小さい会社が、スタンドアップミーティングやペアプログラミングを
試行錯誤しながら自分たち流にアレンジすることで開発力を上げて苦境を乗り越えてきた話。とてもグッときました。
■ E-AGILITY協議会
ユーザーと開発のコミュニケーションの場
今までとは違う。クラウドとか使えば本当に安価。
前回行ったカンファレンスでは、gumiさんのインフラ担当は1人だけ、1週間でリリース等
■ アジャイル検定制度について
岐阜県で100人以上の育成を元にした無料の検定制度の紹介。
割とXPに偏ってるらしい。やってみようかな。
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今年も熱かったです。アジャイル開発したくなってきました。
もうちょっと開発現場感のある話が聞けると嬉しいなと思いました。
更に欲を言えば電源があると…。
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