こちらは Algolia Advent Calendar 3日目の記事となります。AlgoliaのSr. Product Marketing ManagerのPauline Lafontaineが書いた 7 Tips for building exceptional Media industry site search and discovery の翻訳です。
検索は、メディア企業が見落としがちなテーマです。検索というと、Google, Bing, DuckCuckGoといった検索エンジンを思い浮かべる方も多いのではないかと思いますが、訪問者(もしくはインターナルなチームのメンバー)がコンテンツのカタログを検索する多くの場合はオーガニックなチャネル(自然な流入)かもしれませんが、そんな時こそ、サイト内のon-pageなサイト内検索機能および体験について、真剣に考えるべき時なのかもしれません。
なぜインターナルな検索大家の最適化が必要なのかというと、、
- ソーシャルメディアや外部からの検索を補完することで、ROIを明確にできる
- ユーザーのインテントを正しく掴むことで、ナビゲーションの問題やコンテンツの必要性が理解できる
- より多くのコンテンツに触れてもらえることができ、カタログの深さを伝えることが可能である
- 最適化された検索は、訪問者が自分自身で問題を解決する方法を示すことができ、最終的に満足度が上がる
- ジャーナリストたちが外部のチャネルではなく、自社のチャネルでコンテンツを見つけることができるようになる
メディアのサイトやモバイルアプリに最適化されたサイト内検索を構築することは、実は思ったよりも簡単かもしれません。
Best-in-classなSearch and Discoveryを実現するための7つの方法
その1: ユーザーの意図を知る
ユーザーにコンテンツを見てもらうことが目的の場合もあるかもしれませんが、そのコンテンツへの理想的なパスを構築する前に、ユーザーの意図を明確にする必要があります:
- 『昨日のプレミアリーグのスコア』のように特定のコンテンツを探しているのか
- 『エコフレンドリーな生活スタイル』のように特定のトピックやテーマについて調べているのか
- それとも単にインスピレーションを求めているのか、ニュースをキャッチアップしているのか
それぞれのユーザーの意図は、検索、ガイドされたディスカバリ、レコメンデーションといった異なるパターンによって解決されます。全てのユーザーの検索の背景にある具体的な意図や動機を特定することが重要です。そのために、各ユーザーに合ったサービスを提供するために、マッピングするための時間をかける必要があります。
その2: コンテンツカタログの監査
- 長期的に見られるコンテンツと、短期的なコンテンツの数はどの程度か
- ライブコンテンツの中で、今日実際に消費されているものの割合はどの程度か
- 過去のアーカイブを復活させたり、新しいパートナーのコンテンツを追加させたり、より多くのコンテンツをクローラーのインデックスに読ませる機会はあるか
このような質問をすることで、ディスカバリー戦略のプライオリティを決定していくことができます。
こういったことに加えて、メタデータのクオリティ(公開日、テーマ、トピック 等)は、より良いユーザー体験を確保するために重要になります。検索されたときにコンテンツがどのようにランク付けされるかを決定するアトリビュートを明確にする、例えば、フレッシュネス、特定のニッチなコンテンツ、短く簡潔なもの、エクスクルーシブなものといったコンテンツカタログをユニークに差別化するものを考えましょう。
その3: プライオリティ、KPI、北斗星となるメトリクスを明確にする
優れたSearch and Discovery体験を構築するには、プライオリティと主要なメトリクスを明らかにする必要があります。滞在時間を増加させ、エンゲージメントを高め、広告ベースのモデルをサポートするといったことかもしれませんし、プレミアム会員数を増やすことかもしれません。
メディア企業においては、広告ベース、サブスクリプションベース、更にはeコマースなど、複数のビジネスモデルで運営されていることは珍しくありません。また、プライオリティ、ゴール、主要なメトリクスは時間の経過とともにシフトして変わっていくことがあります。ビデオ業界の一般的なon-demandのもでるはAVOD(広告ベースのビデオ・オン・デマンド)、SVOD(サブスクリプションベースのビデオ・オン・デマンド)、TVOD(トランザクションベースのビデオ・オン・デマンド)があります。主要なモデルとゴールを明確にすることは、それらを達成するための優れたユーザー体験を構築していく上で重要となります。
ゴールを達成するためには:
- 関連コンテンツのレコメンデーション、タグのサジェストによるトピックのリファインメントなど、エンゲージメントとディスカバリーのパターン
- サードパーティやパートナーのウェブサイトでコンテンツカタログをチラ見せさせるようなコンテンツディスカバリーウィジェットの構築
- パーソナライズされたレコメンデーションや、その他の方法でロイヤリティの高い購読者のエンゲージメントを高める。新しいコンテンツのディスカバリーを後押ししてプラットフォームの価値を向上
その4: ディスカバリーマップの構築
ゴールとコアとなるメトリクスを明確にしたら、目的や具体的なニーズを反映したディスカバリーマップを構築していきましょう。ここではテンプレートと例をご覧いただきます。
- X軸: 様々な古典つのタイプを説明 – フレッシュなニュース、短い読み物、レポート、長編、アーカイブ、ニッチコンテンツ 等
- Y軸: ユーザーやペルソナの意図
- マトリックスの各コンテンツタイプのボックスに”ディスカバリーシナリオ”を記述。例えば、望ましいタッチポイント(例: 検索ボックス、ディスカバリータブ、ホームページ)は何か、コンテンツにとって最も重要なランキング基準は何か(例: 公開日、トピック)、そして/または、北斗星を補完するCTAは何か(例: 他の記事を読む、サインイン)など。
Content type 1 | Content type 2 | Content type 3 | |
User intent A | Discovery scenario =Preferable touchpointMost important content attributesCTA | Discovery scenario =Preferable touchpointMost important content attributesCTA | Discovery scenario =Preferable touchpointMost important content attributesCTA |
User intent B | |||
User intent C |
その5: 既存のSearch and Discoveryの評価
続いて、既存のセットアップを見直します。まず、様々なディスカバリーシナリオを評価して、そのprosとconsを挙げていきます。
以下は、評価すべき項目の例です。
- タイポ? 例: ラララランドが観たい
- クエリが具体的ではない? 例: ラブコメが観たい
- 自然言語でのクエリ? 例: 私はRom Comsを観たいと思っています
他にもたくさんありますが、覚えておきましょう: 既存のSearch and Discoveryをの良くない所と機会を分析すればするほど、その最適化は迅速に進めることができるようになります。
その6: AIによるキュレーションと人間によるキュレーションのバランス
キュレーションの戦略は、メディアの業界によって大きく異なります。出版社側は編集チームに依存することが多く、動画プレットフォームではアルゴリズムによってキュレーションされることが多いです。キュレーションの方法に正解はなく、バランスをとることが重要と言えるでしょう。
例えばAIは、コンテンツディスカバリーマップに描かれた内容を表面化させる手段となり得ます。あなたが考えたディスカバリーのシナリオの中で、AIがあなたのチームの仕事をどのように補強することができるか考えましょう。ギャップを埋めることも、編集作業の時間を確保することにも使えるはずです。このバランスを取ることで、効率性を高めて、品質にフォーカスしていくことができます。
AIを活用する方法はたくさんありますが、ここではいくつかをご紹介します:
- 様々なレコメンデーションモデルを活用することでコンテンツブロックや行にパワーをもたらす
- 手動でキュレーションされたブロック上に、人気に応じたコンテンツをダイナミックに並べ替える
- コンテンツへのパスを短縮するために、意図の抽出を行い、それを使ってコンテンツやカテゴリーのパーソナライズされたサジェスチョンを表示する
その7: 適切なソリューションの選択
これまでご紹介してきた方法に従うことで、ビジネスやチームに適したソリューションを選択することができるようになるはずです。導入する際には、独自の検索エンジンやレコメンデーションエンジンを構築するか、開発者向けに作られた外部プラットフォームを活用して構築するのか、はたまたoff-the-shelf(棚から出してすぐ使える)なサイト内検索ソリューションを購入するか、といった選択肢があります。
これらの決定をする際に、その段階において重要になる検討事項をいくつかご紹介させていただきます。
- 短期的、長期的、両方のスケーラビリティの観点から、自分たちのユニークな要件を考えましょう。例えば、地理的なフットプリント、拡張性、オーディエンスのアクセスのピークを管理する能力などです。全てのソリューションが同じわけではありません。
- 選択したアーキテクチャやサービスをどのように構築し、維持していくかを検討する際に、チームの独自の状況を理解しておく必要があります。in-houseで構築することが最善の選択肢であると考えられる場合は、メンテナンス、スケール、定期的な改善要求への対応、機能開発やイテレーションに必要なものを考えましょう。
- 将来のディスカバリーについて考えてみましょう: 今日のディスカバリーマップで定義したものは、消費者の行動が変化していくのと同様に、急速に進化し、変化し続けるでしょう。将来を見据えたソリューションを検討することで、お客様(とチーム)にとって、最も楽しく、価値のある体験をいつでも提供できるようになります。
私たちはこれらのヒントが、お客様とチームの両方にとって最適な体験を生み出す手助けとなることを望んでいます。独自のSearch and Discovery体験を計画し、評価し、構築していくことをお勧めします。効果的なSearch and Discoveryは、サイト訪問者の関心を高め、長期的なファンへと導くことが可能ですので、やる価値はあると言えるでしょう。
もし、お客様の状況に応じた、適切なSearch, Discovery, Recommendation体験の構築をしたい場合は、いつでもAlgoliaのエキスパートチームにご相談くださいませ。喜んでお話を伺わせていただきます。
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