ヘッドレスコマースとは – What is headless commerce?

こちらは Algolia Advent Calendar 2020の12月3日の記事になります。Algoliaは様々なヘッドレスコマースで用いられております。ここではAlgolia BlogのWhat is headless commerce?の翻訳という形で、ヘッドレスコマースの利点や事例等をご紹介いたします。


ヘッドレスコマースとは、ウェブサイトのFrontend(カスタマー・エクスペリエンスを構成するコンテンツとUI)と、Backend(ビジネスエンジン – Order/Payment/Tracking/Fulfillment)を切り離し、バックエンドに影響を与えることなく、サイトのコンテンツやUIを流動的に変更可能なbast-in-classなAPIアーキテクチャを実装したものになります。

トラディショナルなeコマースプラットフォームでは、UIの変更にはフロント側とバックエンド側の両方に改修を行う必要がありました。フロントエンドに小さな変更を行うだけなのに、バックエンドへのメジャーなオーバーホールが必要となる場合もあり、複雑でとても時間のかかるサイト全体の改修となってしまうこともありました。デザイナーやディベロッパーにとって、ヘッドレスコマースは、API-firstなアプローチを取りながら、バックエンドのインフラを混乱に陥れることなく、新しい体験や戦略のテストに、パワフルなフレキシビリティとアジリティをもたらします。

5つの大事なヘッドレスコマースのベネフィット

ヘッドレスコマースを採用する場合、アーキテクチャの観点で、以下のような大きな利点があります:

オムニチャネル体験のデプロイとスケール

デスクトップPC、スマートフォン、およびタブレットがデジタル体験と配信の主要なデバイスチャンネルとしてドミナントな状態ですが、Savvyな開発者はスマートウォッチ、Alexaのようなデバイス、デジタルサイネージ、キオスク、VR/ARアプリ、ソーシャルメディアアプリ、そしてnext-generationな家電製品といった分野にも検討を行っています。オムニチャネルの意味は、メッセージ、コンテンツ、そしてプロダクトを、現在存在する、そして未来に出現するあらゆるチャネルにデリバリーすることにあります。ヘッドレスコマースを活用すれば、オムニチャネルにready to go and stayな状態にあると言うことができます。

アジリティとフレキシビリティの向上

ヘッドレスなeコマースシステムは、新しいテクノロジーの出現をサポートします。それは、プロダクト、マーチャンダイジング、そしてマーケティングの各チームにおいて理想的であり、プラットフォームを横断して新しい顧客体験を迅速に構築して展開していくことができます。様々なブランドやポートフォリオにまたがった多様なデジタル体験を、他には無いようなスピード感とアジリティをもって展開していくことができます。また、祝日などの季節的なイベントやユニークなシチュエーション(2020年のパンデミックのような)に正しく対応するために、マーケティングキャンペーンを追加もしくは修正をする柔軟性も持ち合わせます。エンジニアや開発者も、機能的なバックエンドの再編成に時間を使う必要がなく、ヘッドレスコマースがもたらすアジリティとフレキシビリティの恩恵を享受できると言えるでしょう。

市場への投下をより早く迅速に

ヘッドレスコマースアーキテクチャでは、バックエンドに手を入れることなく、ユーザー体験に係るフロントエンドのインターフェースに迅速な変更を加えることができます。アーキテクチャのオープン性とフレキシビリティにより、従来のアーキテクチャと比較して、新しい機能やインテグレーションを短期間で導入することが可能です。customer-facingなコンテンツの更新は、システム全体を再構築することがなく、クイックにインストールすることが出来ます。

カスタマイズおよびパーソナライズされた顧客体験

ヘッドレスプラットフォームを用いることで、開発者はスクラッチでより細かくルック・アンド・フィールを自由に制御しながらユニークなユーザー体験を構築していくことができます。このようなカスタマイズされた体験は、競合他社との差別化を図るというだけでなく、顧客を引きつけるような魅力的な環境の創出に繋がり、売上を向上させることができます。

コンバージョンレートの向上

顧客体験が、カスタマイズ、ターゲティング、サポーティブ、そしてフリクションがない状態にあると、買い物客は自然と購買意欲を掻き立てられていくものといえるでしょう。ヘッドレスコマースはそれゆえ、コンバージョンレートの向上を促進させるものと言えます。

Algoliaのヘッドレスコマースの例

Dunelm

Dunelm Ltd., はUKの大手の家具関連リテール業者です。実店舗でのブラウジングと同等の体験をオンライン上に構築するために、スケーラブルでパフォーマンスの高いスタックで且つビジネスチームが管理を行えるプラットフォームを構築したいと考えていました。同社の以前のソリューションは柔軟性や管理容易性そしてアジリティが十分なものでなく、ビジネスのパフォーマンスといった点でも、成果を上げられない状態でした。

ヘッドレスアーキテクチャへの移行を決定した後、DunelmはAlgoliaをキーとなるテクノロジープロバイダーとして選択しました。Algoliaのコアとなるクオリティ(speed, relevance, and business control)はAPI-firstなヘッドレスアプローチと、簡単な実装およびメンテナンス、そして、既存のAWSヘッドレスプラットフォームとの統合の容易さを組み合わせる形で、AlgoliaはDunelmの開発チームの名実ともに1stチョイスとなりました。Algoliaの導入によって、Dunelmサイトの検索コンバージョンは30%上昇し、効果的にユーザーを倍増させ、収益の向上をもたらしました。

Chronext

Chronextは、世界的に有名な高級時計のマーケットプレイスです。変更、拡張、そして運用が困難であったモノリシックなeコマーススタックから、Commercetools, Frontastic, Contentful, そしてAlgoliaといったツール群を使って構築されたヘッドレスなスタックへを移行しました。

わずか5ヶ月間でロールアウトされたヘッドレススタックは、Chronextに大きなメリットをもたらしました。ブランドはITの専門家がいなくても(コンテンツとプロダクトの両方を)管理することができるようになり、新機能を今までと比較して大幅に早く提供できるようになりました。UXの改善、Algolia検索、そして、SEM/SEOの向上により、バイヤーのコンバージョンレートは約10%向上し、予想を上回るような結果となりました。

その他

他に挙げられる著名なheadless architecture採用している企業は以下があります:

  •     Amazon
  •     Best Buy
  •     eBay
  •     Etsy
  •     Coca-Cola
  •     J.Crew
  •     Netflix
  •     Spotify
  •     Uber

ヘッドレスコマースへの移行が実現できるソリューション

ヘッドレスコマースアーキテクチャを導入する企業が増えるにつれ、トラディショナルなアーキテクチャによるメソドロジーを近いうちに取って代わる可能性が高くなっていると思われます。まだヘッドレスコマースに移行していない企業は、今こそまさに移行の計画を立ててそれを実装するのに理想的なタイミングと言えるでしょう。

ヘッドレスコマースを採用するにあたり、多くのソリューションが利用可能であり、今後も更に多くのソリューションが出てくる予定です。その中で現在、最も広く用いられているものは以下になります:

Salesforce Commerce Cloud

Salesforce Commerce Cloudはall-in-oneなsoftware-as-a-service(SaaS) eコマースプラットフォームであり、パワフルなオンラインプレゼンスを比較的簡単に構築することができます。ヘッドレスコマースはプラットフォームのケーパビリティとして無くてはならないものであり、ブランドはAPI、Experience Managers, そしてHeroku/MuleSoft/Algoliaといった3rdパーティーのアプリケーションを活用して顧客体験をよりリッチにすることができます。

Commercetools

Commercetoolsは、Web, Smartphone, Tablet, もしくは売り場でのworld-classなショッピング体験を構築することを可能にする多様なeコマースプラットフォーム as a Service(PaaS)を提供しています。

Netlify CMS

Netlify CMSはclient-side JavaScript, 再利用可能なAPI, そしてprebuilt(事前にビルドされた)マークアップをベースにしています。WordPressのようなサーバーサイドのCMSと比較して、Netlify CMSはより優れたパフォーマンス、高いセキュリティ、低コストでのスケーリング、そしてより良いDeveloper Experienceを提供します。

Elastic Path

Elastic Pathはヘッドレス eコマース エコシステムで、テンプレートレスなeコマースをミドルウェアとしてEnterprise Resource Planning(ERP)システムに組み込みます。このシステムはAPIベースで特にエンタープライズレベルな組織をターゲットにしています。

Contentful

Contentfulはフレキシブルでfuture-friendlyなコンテンツプラットフォームで、編集者がコンテンツを管理し、開発者がモバイルやWebアプリケーションにコンテンツを提供できるようにします。ContentfulのAPIファーストプラットフォームによって、開発者は大規模なデジタル体験を構築し、競合他社のプラットフォームよりも迅速にWebサイトやスマートフォンアプリをローンチすることができます。

Frontastic

“コードを書かずに、手間をあまりかけず、並外れたデジタルカスタマー・エクスペリエンスを創ってデリバーする”、これがFrontasticのvalue propositionです。そのフロントエンド管理プラットフォームはユーザーのエンゲージメント、ページのビルド、そして、ヘッドレスコマースへの投資を可能にします。

Mobify

MobifyはSalesforceに買収された企業になりますが、ヘッドレスコマースのためのモダンなWebストアフロントで、ブランドはコマース体験を素早く高頻度でカスタマイズすることができ、あらゆるチャネルにおいて強化されたショッピング体験を提供するとともに、コンバージョンと収益を増加させて、ditital-firstエコノミーの成功を促進します。

GraphCMS

GraphCMSは初めてのネイティブGraphQL APIファーストなヘッドレスコンテンツ管理システムです。GraphCMSは、世界中のチームがマルチチャンネルのデジタル体験を素早く構築し、スケール可能にします。GraphCMSは、React, Angular, Vueなど、あらゆるフロントエンド技術と統合可能です。

Prismic

Prismicはオンラインコンテンツを編集するためのヘッドレスCMSです。Prismicを使用することで、開発者は技術、フレームワーク、言語を選択し、独自のダッシュボードを構築することなく、簡単にコンテンツを管理することが可能です。

Algolia

AlgoliaはSearch-as-a-Serviceプラットフォームで、あらゆる業界のあらゆるチャネルで、パーソナライズされたSearch and Discovery体験を構築し、エンゲージメントとコンバージョンを高め、デジタル投資のリターンを高めるお手伝いをします。

Algoliaは、そのSearch-as-a-Service APIとadvancedなフロントエンドライブラリにより、ヘッドレスアーキテクチャへの移行を可能とし、ユニークなソリューションを活用して、フロントエンドプロダクトやコンテンツベースの体験を向上させます。Algoliaはインデックスされたデータをフル活用し、いかなるCMS, デバイス, エンドポイントへのデータの連携を大規模かつインテリジェントに行い、あなたのヘッドレスアーキテクチャをより良くし、ゴールの達成の手助けをします。

AlgoliaのSalesforce Commerce Cloudとのヘッドレスコマースインテグレーションに関しては “Announcing Algolia headless commerce integration for Salesforce Commerce” をご覧ください。

また、Algoliaでは以下2つのヘッドレスコマースに関するWebinarを実施しています。

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