Algoliaインサイト: 2020年第1四半期の検索トレンド – A time of global disruption

この記事はAlgoliaのCMOであるAshley Stirrupが書いた、Algolia insights: Q1 2020 search trends – A time of global disruption の翻訳になります。


この数週間うちに、世界は2020年のはじめに私たちが生きていたそれとは全く異なるものとなってしまいました。世界中の人々がCOVID-19パンデミックおよびそれに伴う変化に対応していますが、人々のプライオリティも変わってきてきています。影響のある地域では、人々は多くの時間を家で過ごすようになり、ソーシャルディスタンシングという距離をおくことを実践するようになっています。そして、そのような行動の変化には、オンライン上での優先順位の付け方や時間の使い方も含まれていると言えるでしょう。

私たちの仕事や生活の変化に合わせる形で、あなたのお客様のプライオリティやニーズも変化してきているのかもしれません。あなたのビジネスが急成長中であれ苦境に陥っている状況であれ、人々が何を探しているのかを理解し、そのニーズに合った最適なプロダクトや情報を届けることがより重要になってきています。

この度、年間の検索率が1兆回を超えるAlgoliaのSearch-as-a-Serviceプラットフォームを通じて、2020年の第1四半期の検索トレンドを発表させていただきます。環境の変化の理解や適切なナビゲーションのためにこちらをご利用いただければ幸いです。

2020年第1四半期のグローバルで8600社を超えるAlgoliaのお客様の検索ボリュームからは、美容/オンライン学習/オンライン食料品などの分野で検索が伸びているのが見て取れます。一方で、旅行/不動産/スポーツ用品などの分野では検索アクティビティは減少しています。

2020年1月12日から3月28日までの3ヶ月近くにおよぶ検索トラフィックデータを分析し、国やインダストリーごとにセグメント化して、2020年第1四半期にどこでどのようにお客様の行動がシフトしていったのかを確認しました。以下が私たちが発見したものになりますが ー 予想していたのも、一方で驚かされたものもありましたが、この”new normal”な状況の中では理解できるものかと思います。

最初に、第1四半期で検索ボリュームが急激に増えた業界カテゴリーを見てみましょう。世界が一夜にして – country-by-country に – 変化したように見えていましたが、オンライン学習/食料品/Eコマースショッピングの検索は特に3月にグローバルで大きく伸びました。

IndustryPercent Increase
Education1,185%
Groceries618%
E-commerce408%
Financial Services309%
Healthcare280%
Beauty255%
Media248%

以下のチャートのように、COVID-19の影響でstay-at-homeとロックダウンを導入した6つの国(アメリカ、イギリス、フランス、イタリア、ドイツ、スペイン)で、検索ボリュームが伸びている業界においては四半期を通じて、毎週おおよそ一定の割合で増加をしてきました。一つの例外であるweek8(3月1日の週)では、特にアメリカとフランスのオンライン食料品/ゲーム/学習の分野で大きな増加が見て取れました。

それでは、2020年第1四半期に検索のボリュームが大きく増加した具体的な業界を詳しくみていきましょう。以下のように、このような世界的なパンデミックな状況であっても、人々のコアなニーズは変わっていないものの、人々が商品を手にする方法やビジネスのエンゲージメントのやり方は変わってきていることが分かります。

Industries in high demand (需要の高い業界)

Education sites (学習サイト)

学校が閉鎖されて、両親が自宅勤務をする中で、生徒たちの学習は一時的に中断してしまっている状況と言えるでしょう。教育機関はオンライン教育のプラットフォームを開発し、生徒にコースワークを割り当てようと躍起になっています。教育機関の管理者や保護者たちは無料でオンライン教育のクラスやリソースを提供してくれる企業を探し求めて情報を集めています。それに加えて、人々はこの時間を利用して新しいスキルを獲得しようとしています – 新しい外国語の習得/楽器の演奏/プラグラムングスキルの向上などがそれに挙げられます

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結果として、第1四半期の検索ボリュームでは、教育に関連するサイトが10倍以上の伸びを示し、3月後半にかけて急激に伸びています。

注目のセグメント: 開発者はテクニカルドキュメントを検索している

DocSearchを通じて、AlgoliaはBootstrap/Laravel/Vue.js/Reactを含む2000以上のプロジェクトを支援しています。開発者はdigital and mobile experiencesを構築するのに必要なドキュメントを探し当てることができます。

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過去の1ヶ月間で、DocSearchは310万人のユーザーに利用されましたが、これはyear-over-yearで71%の増加となります。開発者たちがこの期間に技術的な知識を広げたり深堀りしたり、新しいWebサイトや体験を構築するためにプログラミング言語や開発環境を探求していることが分かります。

上位5つのプロジェクト – Bootstrap/Laravel/Materia-UI/Vue.jsなど – で全体の40%以上の検索が行われています。今後の数週間/数ヶ月で Overcoming COVID-19 の取り組みでより多くのプロジェクトがこの中に入ってくることが期待されます。

Online grocery sites (オンライン食料品サイト)

shelter-in-place (自宅退避)とソーシャルディスタンシングのガイドラインが過去数週間で世界中で実施されるようになりましたが、それに伴って食料品店に行くことを避け、その代わりにホームデリバリー/オンラインでの購買/お店でのピックアップといった選択をするようになってきました。

その結果、食料品サイトは第1四半期の検索ボリュームが6倍以上増加しました。卵/牛乳/コーヒー/パンといった毎週購入する必需食品の必要性により、新規ユーザーはロイヤルカスタマー(少なくともパンデミックの間は)になる傾向にあります – 前回の注文を再オーダーする傾向。もちろんオンラインショッピングを活用し始めるユーザーも継続的に増えています。このような傾向から今後もこの上昇トレンドは数週間に渡って安定的に継続していくものと予想されます。

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Beauty sites(美容系サイト)

需要が伸びているカテゴリの中に美容系サイトがあることに驚きました。なぜ人々は外出する機会が減ったにも関わらず美容系プロダクトが必要なのでしょうか?

3月を中心に検索のボリュームが3.5倍以上増加していることから、この分野の企業は、ローカルのサロンや美容関連サービスが休業していることによる恩恵を受けていることが分かりました。多くの人が自分で手入れをする、例えば髪の毛を自分で切ったり染めたり(もしくはハウスメイトにお願いしたり)するのが増えているのではないかと考えられます。

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残念ながら、世界の人口の1/3以上がソーシャルディスタンシングやロックダウンの状況にあるため、人々の行動は急激に変化しています。特定の活動や以前興味を持っていたことのプライオリティが下がっている、もしくは、多くの場合、不可能なことも増えてきています。旅行/スポーツイベントへの参加/不動産の売買なとやほとんどの場合、人々の日常の中の一部とは言えなくなってきています。そして、私たちが分析した検索データはこれを裏付けるものになっています。

Industries with lower demand(需要の低い業界)

Travel sites(旅行系サイト)

予想の通りに、オンラインの旅行系サイトの検索数は大幅にドロップしていて、第1四半期のはじめからすると実に97%も減少しています。これはアメリカ/中国/イギリスそして他のEUの国々が世界の特定のリージョンからのフライトを制限し、禁止するようになったことに端を発しています。COVID-19が世界的なパンデミックとなり、WHOがより厳格なガイドラインを示したことでSpring Break(春休み)のフライト/クルーズ、そして家族旅行は自己責任(というかリスクが伴うもの)になってしまったためと考えられるでしょう。

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Sporting goods & activewear sites (スポーツ系グッズおよびアパレルサイト)

COVID-19のアウトブレイクが地域のコミュニティに影響を与え始めて、stay-at-homeと共に学校が閉鎖されると、アウトドアでのアクティビティや学校の運動会などが減少しました。これと同様に、人気のあるスポーツ選手がコロナウイルスに感染したとレポートされたことにより、NBAやFIFAといったプロスポーツリーグがシーズンを中断したり、スポーツ関連イベントは一夜にして中止になったりしました。スポーツ関連サイト特にアクティブウェアを販売しているサイトにおいては、四半期で69%の検索活動が減り、また、week-over-weekで継続的に減少していっています。

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注目企業: フィットネス器具の提供業者

多くのアクティブウェアやスポーツグッズに関連するウェブサイトでは検索アクティビティが減少している一方で、いくつかの企業の中で特定のスポーツ商品カテゴリにおいて検索ボリュームが大幅に増えているものがあることが分かりました – おそらくコンバージョン率も上昇しているものと思われます。フィトネス器具の提供会社が一つの例として挙げられ、ここでは四半期のはじめから検索ボリュームが74%増加しています。これに関しては、トレッドミル/フリーウェイト/フィットネス自転車といった器具を使い、室内で身体を動かして体型を保つ方法を探している人が多いのではないかと考えます。

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Real estate sites(不動産サイト)

stay-at-home、ソーシャルディスタンシング、そして、長期的なベアマーケットといった要因から、商業および住宅向けの不動産における活動は鈍化していると言えます。不動産業者によっては顧客を仮想的な内見ツアーのようなものを提供していて、ポテンシャルな投資家は不動産価格が下落したところを狙っての購買を考えていますが、全体的には市場のモメンタムは下がっており、検索アクティビティのデータでは、2月24日の週のピークから急激に85%下がり、3月16日の週に底をついています。

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このような時には、どの企業においてもオンライン体験のフリクションを減らす手立てを打たなければなりません。

  • もし、ビジネスが減速している場合には、サイトを訪問したお客様に今できうる最高の体験を提供したいと考えるでしょう
  • もし、ビジネスが飛躍的に伸びている場合は、プロダクトやコンテンツのカタログを最適化や、検索アナリティクスの傾向を分析したり、オンライン体験のフリクションの軽減を図ることで、カスタマーサポートや返品対応チームを含めたビジネス全体への助けになるでしょう

“検索”は、しばしば『探しているものが見つからない』という場合に顧客へのフリクションにおける重要なポイントになりがちです。一方で、顧客が欲しているものを迅速に提供する検索体験はどんな場合においてもベストプラクティスになりえます。特にこのような時期におきましては、顧客は多くの時間をオンラインで過ごしながらエッセンシャルで付加価値のあるプロダクト、情報、サービスを求めており、検索の重要性がより増している状況と言えるでしょう。

もし、検索について助けが必要な場合は support@algolia.com にご連絡いただくか、もしくは、私たちの COVID-19リソースページ を訪れていただければ幸いです。

オンライン体験およびアプローチの向上に関してより詳細を知りたい方は、是非  “Digital Strategies For the COVID-19 World” ウェビナーにご登録ください!

Note: この分析に特定のお客様特有の情報は用いられておりません。引用した全てのデータは、匿名化された上で国や業界をまたいで集計されており、何ら特定のお客様を特定したり代表したりするものではありません。

コメント

  1. […] こちらのブログにも以前翻訳記事を掲載しましたが、改めて振り返っていきましょう。 […]

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