藤田晋さんの『起業家』を読みました

ここだけの話、Koboで配信がはじまるのを待ちきれなくて、
Kindleストアで買ってスマホ(Xperia Z)で読んだ本。
 
Metallicaで言えば、ブラックアルバムよりKill ‘em Allの方がグッとくる自分としては、
『渋谷ではたらく社長の告白』は一番好きな本の1つ。バイブス満タン具合がたまんない。
 
ということで、この『起業家』は期待もあった反面、荒削りさがなくなって残念な感じなっちゃったらヤダな
って思ってたんだけど、全然そんな事なくて。むしろアツいっていうか。
 
僕は藤田社長と同じ青学卒なので『渋谷ではたらく社長の告白』
今は無き厚キャン的なエピソードとかは、へーそうだったんだーって感じだったのだけど、
身近なネタはそれくらいで、自分とは遠いところの話だった。
 
が、この『起業家』は自分がこの業界に入ってからの期間と丸かぶりなので、
思いっきり生々しくて、あー、あの時そんな感じだったんだ!的なところがあったり、ガッツリ入り込んで読める感じで。
 
NASやJERUより俺に響いた – マイク中毒 Part2 / Steruss” じゃないけど、
ラリーペイジやザッカーバーグより思いっきり俺に響きましたって感じ。
 
僕は02年にSIerに就職して、金融系のエンプラなシステムをいくつか担当してから、
05年頃に某巨大ポータル企業のバックエンドなシステム構築にドップリ携わったのだけど、
インターネット的な技術とかノリとかに完全に魅せられて、ちょうどその頃にWeb進化論とか読んでて
居ても立ってもいられない感じでインターネットサービス企業の門を叩きました。
 
SIerからインターネットサービス企業ってことで、転職活動をしていた時に、
サイバーエージェントを意識しなかったわけではなかったのだけど、
技術的には大したこと無さそうな会社かなって思ってたので、履歴書を送るとこまでいきませんでした。
“どこで働くか”ってのと同じくらい”どんな人たちと働くか”っていうのは自分の中では大切だったから。
 
が、今となっては、技術系の雑誌開けばサイバーエージェントのエンジニアを見かけるし、
技術系の勉強会では最先端な取り組みを鼻息荒くやってる感じを惜しげもなく披露してるし、
何人かいる飲み友だちも凄腕ばかり。東京で一番勢いのある会社の中の1つである事は間違いない。
 
っていう感じで、エンジニアな僕にとっては、いかにサイバーエージェントが技術の大切さを痛感して、
テクノロジー企業になってったかって様がとてつもなく印象的で。
“そこまで気合い入ってたんなら声かけてもらいたかったな…”なんて思ってしまったくらい。
 
勿論、僕が今いる会社に転職した事に何の後悔もないし、”海外”っていうのが視野に入ったのは、
ココならではって思うのだけど。
 
この本は、非は非で認めつつ、猪突猛進していく様がハンパないわけなんですが、
いろんな回り道をしてきた的なエピソードの中にも、ひときわドギツイ表現がある。
 
“責任者の更迭”
 
へー、そんな事もあったんだーって感じだけど、
僕は今の会社で、その更迭された人が立ち上げた会社の競合にあたるサービスを担当してた。
 
知り合いがリードエンジニアを務める会社のサービスを買収する事になって、
それをうちの会社色に染め上げるのが僕の仕事だった。
・いつまで経っても終わらないクローラーとログ解析
・解析の精度は上がってるはずなのに上がってかないクリック率
・複雑なロジックに耐えられないアドサーバー
毎日、朝から夜中まで、格闘する日々だった。
 
僕はこのプロジェクトで全社のMVP(社長賞のようなもの)をもらって、
毎週朝8時から行われる全社ミーティングで社長からいきなりマイクを渡されて何か話せって言われて
『僕らは後発だし、GさんやYさんに比べたらまだまだだけど、
広告主様からも媒体主様からも、うちを選んで良かったって言ってもらえるような
プラットフォームを絶対作るから応援してください』
みたいな事を言った。(当時はまだ英語化じゃなかったから日本語で良くて今思えばラッキーだったw)
 
そんな風に、僕は僕なりに努力してたのだけれど、
その頃、上記の更迭された人が社長を務める会社の人と飲む機会があった。
お互いの仕事の話をしてたら、”御社もそういうサービスされてるんですね〜”って笑顔で言われた。
競合って思ってたのはこっちだけで、向こうからはサービスやってることすら認識されてなかった…。
エラくショックな思いをしたのだけど、その後、うちの会社はそのサービスはたたむことになった。
後から知ったのだけど、その会社のボードメンバーの1人は、02年に入社したSIerの同期。
 
なんていうか、直接、この『起業家』に出てくるエピソードと関係してるわけじゃないんだけど、
どうしても身近に感じられてしまうこういうネタとかもあったりして。
 
藤田社長のブログはいつもチェックしてるし、TwitterやFacebookでもフォローしてるのだけど、
サイバーエージェントさんのサービスはキャッチーでポップな感じなだけに、
あんまりそれっぽく思ってなかったんだけど、だいぶ見方が変わった感じ。
 
この本を通勤電車の中で読み進めていたのだけど、
新宿駅の南口を出たところくらいでO-EASTでIll-BOSSTINOが〜ってくだり。
 
僕は大学生の頃、六本木のCOREってクラブでHIPHOPなイベントを主催していたのだけど、
そのIll-BOSSTINOのTha Blue Herbが99年に東京で行った伝説のライブの場所もCOREだった。
それこそ10年以上、BOSSの言葉に励まされ続けながら、言葉にならないくらい、先は長く深いサラリーマン生活送ってるわけで、
もう、この時点で鳥肌ものだったわけなんですが、
そっから、アメーバが難局を乗り越えた後の、グワーって破竹の勢いで上がってく様が書き綴られていくわけなんです。
 
晩飯を食おうと思ってたやすべえに到着するまでに感極まって半ベソになり、
アナリストのレポートが並んでるところくらいで頬に涙が伝っていく感じ。
そして、ワナワナしながら、中盛りの特製みそつけ麺のチケットを買って、
店員さんにアツモリで〜ってお願いした直後に読了しました。
 
うまかったよー、つけ麺。普段より全然。
でも、今のまんまじゃ、自分は、”お前にはシリコンバレーのツアーガイドがお似合いだ”って
ディスられるくらいのレベルにしかなってないし。
分厚い雲の中一点の晴れ間を探して頑張ろうって気持ちになれたよ。
時は依然変わらず進むだけだけど。また一日歳をとったけど。
この本と今の閃きに会えてよかったよ。
 
少し長いことづけを置いていくぜ
Big up Cyber Agent, Keep on getting on…
 
Peace Out.
 

起業家
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↓はじめてBlue Herbのライブを観た時のブログ。懐かしい…。
2004年05月20日 | shinodogg.com

コメント

  1. […] ■ IVS   Infinity Ventures Summit(IVS)は完全招待制の経営者を対象としたカンファレンス。 IVSの存在は以前から知っていて、行ってみたいなと思っていたものの、 現場でエンジニアをやっている自分にとってはなかなか行けそうにない遠いところでした。     ■ スタッフに応募   ボケっとFacebookを眺めていたら、@hiroumiさんが主催者の小林さんがスタッフを募集しているポストをシェアしていて。 コレはナイスな機会だと思い、スタッフ応募フォームを送信して、Skypeで主催の小林雅さんと面接していただいて、 フタッフとして参加させていただける事になりました。   GW明けに表参道でスタッフの決起会があって、想像以上に一緒にスタッフをする皆さんが若い事を知って ノリというか、テンションについていけるか若干不安でしたが、 終わってみると、モチベーションの高い皆さんと一緒に働けたのはとても良かったです。   スタッフとしては新入りで、何につけても一緒のチームの皆さんから教えを請う感じになりましたが、 僕が所属したチームは普段スタートアップな会社でバリバリやられてる皆さんで、 臨機応変に何でもやり切る素晴らしいチームでした。   スタッフとして働いてる時間帯はあまり写真を撮れなかったのですが、 時系列的に振り返りたいと思います。     ■ 1日目(IVS前日入り)   今回はエア・ドゥで札幌にいきました。28日以上前に航空券を取ると 安くなるのですが、行きがギリギリ間に合わず、往復で23000円くらい。   チェックインはANAの発券機で。予約時に使ったクレジットカードを挿入すると、 ↓の搭乗案内書が発券できます。   新千歳空港で朝食兼昼食を。   快速エアポートに乗って新千歳からIVSが開催されるシェラトン札幌のある新札幌駅まで30分弱。 宿は駅から直結したアークシティホテルを予約していたので取り敢えずチェックイン。   少し休憩した後、シェラトン札幌に入ってスタッフ作業をしました。 荷物を搬入したり、チラシを袋詰めしたり、無線LANの設定をしたり。 いくつか予期しない事態が発生する等あって、長時間の作業でしたが、あっという間でした。   夜はシェラトンの華夢夷でビュッフェ。 何食ってもヤバかったですが、ホテルが本気出したポタージュスープってスゲーなと。。     ■ 2日目(IVS 1日目)   朝8時入りのため、早めに起きてアークシティホテルで朝食。   昼食のパーティー&SAPジャパンのスポンサーセッション。 SAPはERPパッケージだけでなく、先進的な取組もイロイロやってらっしゃるのですね。   セッション中は音響の調整したり、@IVS_Spring アカウントで #IVS_B ハッシュタグで セッションの内容をお伝えしたり、人を誘導したりと、大忙しでした。 Tweets about “#IVS_B “ !function(d,s,id){var js,fjs=d.getElementsByTagName(s)[0],p=/^http:/.test(d.location)?'http':'https';if(!d.getElementById(id)){js=d.createElement(s);js.id=id;js.src=p+"://platform.twitter.com/widgets.js";fjs.parentNode.insertBefore(js,fjs);}}(document,"script","twitter-wjs");   またセッションの内容レポートを書いて、一緒にスタッフをさせていただいた小出さんの U-NOTE【ユーノート】-イベントまとめプラットフォームに掲載していただきました。   ↓のセッションは自分がとても感銘を受けた本に関連するセッションということで、楽しみにしていたのですが、ユーモラスな中にもアツさがあって満足度激高でした。 ・サイバーエージェント社長、藤田晋氏と5人の経営者が語る起業家の本質 #IVS   夜は海の幸ドーーンってことで。 北海道の醍醐味というか、IVSにハマってしまう1つの要素であることは間違いないですね。   スポンサー企業様によるデモや抽選はとても盛り上がりました。   そしてアフターパーティー。   ナイスな夜景と美味しいモヒート。   次の日は7時入りということで、早めに就寝しました。     ■ 3日目(IVS 2日目)   朝7時入りでLaunch Padの準備。Launch Padは1人6分のプレゼン大会。 審査員は日本のインターネット業界の有名人だらけ。 コレによって人生変わってくる人も何人か出てきているということで。 僕は裏方だったので一部のプレゼンは見れなかったのですが、熱気や緊張感が伝わってきました。   1日目同様に #IVS_B のTwitterと、U-NOTE用のテキストも担当しました。  担当したセッションは、とても豪華で、個人的にも聞きたかったモノだったので嬉しかったです。   ↓話題のmixiの経営陣が参加! ・「強い経営陣を創る」GREE、サイバー、mixiのトップが登壇! #IVS   ↓コレはIVSならではというか、普段滅多に聞けないお話の数々でした。  ・enish、オイシックス、コロプラの3社が語る、創業からIPOまでに学んだ経営のエッセンス #ivs   また、内容非公開ということでレポートは作成できなかった↓も ・分岐点を迎えるネット広告企業の次の一手 元アドテクエンジニアとしてはGMO、CA、セプテーニ、D2C、ユナイテッドという、 常に業界をリードしている経営層の方たちのお話が聞けて胸熱でした。   夜は1階でのクロージングパーティー。   BBQが豪華過ぎて感動しました。。   スタッフ業務も落ち着いた事もあり、ここぞとばかりにイロイロな方とお話させていただきました。 インターネット業界で今一番イケイケかもしれない昔の夜遊び友達に会ったり、 僕の勤務先の事を非常によくご存知で、意気投合して一緒に写真を撮っていただいたり。   31階で行われたアフターパーティーでは一緒にスタッフをした仲間たちと 会話を楽しんだり、講演者の方とお話させていただいたり、カラオケがあったり、 眠気の限界まで楽しい時間を過ごさせていただきました。   – 普段のエンジニアリングな業務とはまた違った緊張感の中で、 モチベーションの高いスタッフの皆さんと一緒に働けて本当に良かったです。 主催の小林さんはじめ皆さん、ありがとうございました!   また、有給休暇を3日間使ってIVSに参加させていただいたのですが、 快く送り出してくれた上長や職場の仲間にも感謝です。   そして、IVSスタッフの中には凄腕なエンジニアもいて、 Labbitの前田さんや筑波大学の齋藤さんは、話してるだけで技術力の高さが ヒシヒシと伝わってきて、皆さんお若いのにスゲーな、と。 自分も頑張らないとなーって思えました。   業務的に時間が確保できるか、というところもありますが、 次回も是非参加させていただきたいです!   […]

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