いっつもマニアックな各論的なことしか書いてないので、
たまには総論なことでも書いてみようかと。
僕はSIer(System Integrator)の会社に勤めています。
今5年目です。
が、SIerっつったところで、
何やってんのか、なんて全然わかんないですよね。
実際にいろんなことやってて。
実はSIerにいる自分でも関わった事ないこといっぱいあります。
そもそも、システム構築ってなんじゃらほいって話で。
—
たぶんはじまりは、
・事務の人がいちいち手書きで紙でやんのめんどくせぇよ、とか
・経営者の人が自動化してリストラして人件費削るんじゃ、とか
・他のとこもネットで通販やってるからうちもやんなきゃやばくね?とか
いろいろあると思うんです。・・・〓
んでもって、人の頭の中だけであっためてたって仕方ないわけで、
その企業の情報システム部とか経営者に相談したりすると思います。・・・〓
で、いよいよ物づくりがはじまるかと思いきや、
まだユルユルな草案を、どうやって形にするか、
そんなことを決める工程があって。要件定義なんて呼んだりします。・・・〓
要件が決まると、今度はそれを元に設計書書きます。
最近はUML(Unified Modeling Language)とかいって、
お絵かきが増えてきています。・・・〓
ようやく物づくり(プログラミング)がはじまります。・・・〓
この頃になると、プロジェクトに関わる人がすごい多くなって。
インターナショナルな感じになったりします。
その裏で、システムが動くインフラを構築している人達もいます。・・・〓
XXテラバイトのハードディスクを扱ったり、
バックアップがどうだとか。
ネットワークがどうだとか。
この頃になると、要件定義が甘かったり、
出来上がるプログラムが見えてないようなやつが書いた
はちゃめちゃな設計書のまずさが露呈して、
通称”デスマ”(デスマーチ)と呼ばれる、残業ブリバリな季節がやってきます。
大概、物づくりはいろんな場所でいろんな会社の人が携わってて、
どっかのタイミングでガッチャンコさせてみます。
ガッチャンコしてやるテストを結合テストなんて言います。・・・〓
この頃になると、ガッチャンコする環境に不備がみつかったり、
慣れてない環境で作業しなきゃいけなくて、
アスキーとバイナリ間違えて配置したくせに、
処理を実行したら、動かないYO!ちゃんとテストしたのかYO!
とか、ふっかけてくる人とか出てきたり。
んで、最後にお客さんも巻き込んで、いろんな落としどころを探りながら、
実際の運用に近いテストを経て、いろんな残案件を2次開発フェーズとかいう
先送りバンザイ的なところに逃げ込んで、なんとかカットオーバーします。・・・〓
カットオーバーすると、最初のうちはトラブル続きで、
体力的にも、メンタル的にもしんどい時期になります。
とにかく謝り倒す人、とにかく逆ギレして一歩も譲らない人、
いろんな人間模様をみることができます。
そして、2次フェーズで開発をする人、
作ったシステムを引き続き運用する人、・・・〓
他の開発案件にいく人、
結構バラバラになります。
日々システムを運用していくにあたって、
あーしたい、こーしたい、なんてのがあって。
いろいろシステムをカスタマイズしながら、
そのシステムを保守していきます。・・・〓
—
でもって、このご時世、ほとんどの人がパソコン使って仕事してると思うんですよ。
つまり、そこには何らかのシステムがあって。
んで、じゃぁ上に書いたようなことで、どんな職種があるかっちゅう話で・・・。
〓
ここだけ専門にやってる人もいます。
事務をやってる人にヒアリングして課題をみつけたり、
経営者からグチ聞いて、ならこうしたら?なんてロードマップを示したり。
コンサルタントなんて名前の人が多かったりします。
この人達はプログラミングとは全然しません。
でも、SIerに勤めているSEって言われりゃ、それも間違っていません。
同じ会社の同期で、そんな仕事してるヤツもいるみたい。
ちなみに、僕は〓的なことをしたことありません。
〓
自分にとって、ちょっと身近です。
システム部門の人が経営層や業務部門に相談するのに、
どうしたらいいか相談に乗ってあげたりします。
どっちかっていうと、どれくらいの予算を確保したらいいのか
教えてくれや的なことがほとんどですが。
ここでは、ちょっとした技術のバックボーンが必要です。
どうやって作ればいいのか知らないのに、
いくらかかるって言えないので。。
あと、他に似たようなシステム構築の経験があると強みです。
とはいえ、ここでもExcelしかほとんど使いません。
〓と〓
大体SEっていうと〓とか〓とかやる人のことを
言うような気がします。
お客さんと話をしながら、設計書を書きます。
WordとかExcelが仕事道具で、とにかく打ち合わせが多くて、
あとはメールとか電話とか。
ほんとは、これやるときに、物づくりの事をバッチリ考えて
やるべきなんですが、なかなかそうもいってないのが現状です。
ここに、”SEイコール技術がある”っていう世間一般の認識とのギャップな
ような気がします。
〓
コレをやる人は、SEとは呼ばずに、プログラマと呼ばれます。
大体、物づくりのお作法や、共通で使う部品とかはできあがっていて、
作業自体大して難しくないはずで、誰にでもできるんだから、
コストの安い海外に発注したり、新人にやらせときゃいいや、
って考えてる人が多いみたいです。
が、全然そんなことなくて。
(そりゃ品質のガン悪いとりあえず動くものなら新人でもできるけど。。)
ヘタレ設計者のケツ持たなきゃいけないし。
何より、そんなに簡単なプログラミングなんてありゃしないし。
設計書や要件定義書が動くわけでもなく。
そこに不具合があっても、別に困りませんが、
プログラムに不具合があったりしたら大問題です。
そんな緊張感のある作業をしなければならないにもかかわらず、
プログラマは冷遇されているのが現状です。
〓
少し職人的なところがあるかと思います。
黒い画面でコマンドをバンバンぶったたいて、
何も知らない人が見ると、ディレクトリを移動して、
テキストファイルを開いて、変更してるだけなのに、
妙にかっこよく見えたりします。
自分の持ってる金じゃ一生買えないような機器を
我が物顔でいじれるっていう利点もあったりします。
でも、これをやってる人は、あんまりシステムを使う人を
意識したり、そもそもどういう業務なのかとか、
知らなかったりします。
どっちかっていうと最近僕はこっち側の人間です。
〓
テスト工程です。
僕はテストが嫌いで嫌いで仕方ない人なので、
〓のうちにできるだけ、自動テストでやっつけられるようにしていますが、
避けては通れない工程です。テストする人をテスターとか言います。
システムのオペレーションさえできればいい的な風潮が強いので、
とにかく人がいりゃいいんだべ?的なことになって、
新人君がいきなりここにつっこまれたりします。
新人君はどんな業務かも知らないし、どんなプログラムなのかも知らないし、
自分の将来や存在意義に、一抹の不安を抱くようになります。
でも、実は、ここにも技量が必要だったりします。
今まで一度だけ、鬼のテスタをみたことがあります。
三国無双とかで、取得してないアイテムなんて一個もねーぜ!!
的なノリで、システムをテストします。
フツウの人が考えるようなバグはほぼ潰され、こういう人が1人いると、
工程が前に進まなくて、めんどいんですが、品質は確実に向上し、
システムで、”できないこと”も明らかになったりします。
〓はおそらく、世間一般的には、みんなで飲みにいって
“おつかれさまでした〜!”的になると思われがちみたいです。
が、全然そんなことないです。。
〓と〓
僕は今まで携わった事がありません。
地味に見えますが、毎月おいくら万円を安定的にいただけるわけで。
うちの会社の強みはここにあるみたいです。
同期のやつと話をしていても、
みんないろいろ苦労をして、また、お客さんにすごい近い立場で
仕事をしているようです。
で、〓〜〓までの各工程で、うちにやらせてみませんか?的な
営業的なことをしてるやつもいるわけで。
んで、僕のやったことあるのは〓〜〓くらい。
機能要件じゃない、要件の定義をしたり、
プログラマのみなさんが、できるだけ楽していいものができるように考えたり、
インフラ的な環境設定の支援をしたり、
どっちかっていうと、後方支援的な立場が多かったりします。
でも、大概は〓〜〓くらいで、デスマっちゃって、
その火消し、ってのが多かったりします。
システム会社って世の中たぶん腐るほどありますが、
上記のような工程を全て網羅し、且つ、大規模なシステムを構築するってのが
SIerなのかなって自分の中では思ってます。
そう考えると、そんなに会社の数自体は多くないのかなって思ったり。
でもって、いわゆる、独立系って言われる、
親会社を持たないようなSIerの強みとは何か。
よくハードウエアのしがらみを受けずにマルチベンダーで、
とか言われるけど、お客さんの方にその辺のしがらみが
あったら、そりゃやんなきゃならんし、仕方ないわけで。
僕の中では、
“他の企業さんだと、ここは、こんな風にやるんですけどね〜”とか、
言えるとこかなぁって思います。
親会社がない代わりにいろんな企業の仕事に携われる。
自分で判断するにも、お客さんに判断させるにも、
基準ってものが必要で、
それって、他との比較ってのが一番わかりやすい。
まぁ、その代わり、安定的に仕事があるわけじゃないから。
その辺は弱みかもしれません。
ちょっと話がそれましたが、じゃぁ、SIerで働くってどんなことか、と。
基本的にゼネコンみたいに、下請、下請に仕事を流していきます。
2次請け、3次請けもザラです。その他、人身売買的なこともしょっちゅうです。
どっちかっていうと、自分で手を動かすんじゃなくて、
人を使って、作業をさせるような、現場監督的なイメージです。
ただ、現場監督といっても、
上記のように、いろんな工程があります。
別に技術に詳しくなくても、活躍できる場は多々あります。
文系でも大丈夫と言われる所以はそこにあるような気がします。
そりゃ、とにかくカワイイ女の子に作業を頼まれたら、
何も言われなくてもイイトコ見せてやろう、なんていうのは、
至極当然だと思うし、それも現場監督の能力です。
また、慈善事業をやっているわけではないので、
常にお金を意識しなければなりません。
残業が増えれば、ギスギスしてくる場面も出てきます。
そういう局面で、癒し系なんていう存在も必要かもしれません。
全然パソコンの使い方も上手じゃないような人から
要件聞き出して、形にしなきゃいけないし。
他にもいろいろ。
何が言いたいかっていうと、
システム構築っていうのは、ソフトウエア工学だけじゃ語れないような、
ものすごく人間臭いものだっていうことです。
そんな現場ですから、当然プロジェクトマネージャーや、リーダーには
知識や経験だけじゃなくて、キャラクターも要求されます。
とはいえ、あーだこーだいっても、
結局動いているのは、プログラムです。
この業界で働いていて、不満を持つ人はすごく多いと思うけど、
今の状況が改善されるのは、一筋縄ではないと思います。
1回うまくいったことを繰り返してれば、
他の企業との価格競争には勝てないし。
常に求められるもののレベルは上がっていくし。
テクノロジーが進化して、ソースコード自動生成して、自動テストして、、、
とかいったって、結局抑えておかなきゃいけないポイントや、
なんなきゃいけない泥臭いところはあんまり変わらない。
なんだかんだで、昔取った杵柄ってのは確実に存在する。
みんながやめなきゃいいんじゃねぇか?
役職がどうの、とか言ってないで、現場にい続ければいんじゃねぇか?
とか、よく思います。
正直、この状況は、今後もあんま変わらないんじゃないかなぁって。
もし、この業界で仕事をし続けるなら、
この5年で、この業界がどう変わったか、
この10年で、この業界がどう変わったか、
なんてことを書いてみたいですね。
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