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DSP/RTBオーディエンスターゲティング入門 ビッグデータ時代に実現する「枠」から「人」への広告革命を読みました。
オンライン広告に関するテクノロジー(アドテクとか言ったりします)に関して、
日本は欧米から数年遅れをとってるとか言われる事が多いのですが、
日本語でこんなマニアックなネタを取り扱った本があるんだと驚きました。
現在はカナダに住んでいるので、帰国まで読めないのかとガッカリしていたら、
Libura Proの↓からPDFでリーズナブルな値段で購入することができました。
https://store.libura-pro.com/purchase/index/id/1j15b005tivl/pageNo/1
(特に購入する際にIPアドレス制限といったようなものはなさそうでした)
私は10年間のITエンジニア生活の中で3年間を広告エンジニアとして過ごしました。
コンテンツマッチ広告やリスティング広告配信エンジンなど、毎日、数千万~数億のインプレッション(広告の表示回数)を
取り扱う事は非常にエキサイティングでときにチャレンジングで、本当にナイスな経験でした。
大量のアクセスを受けて最適な広告を配信したり、大量のログを集計してレポートしたり、
分析して広告配信のネタにしたり、するわけですが、出来ればリアルタイムにやりくりしたいわけです。
応答性能とスケーラビリティを確保するために、キャッシュの仕掛けを入れてきたわけですが(一般的なやり方)
リアルタイムとなったとたんにアレもコレも、、といった感じで遠い目だったりもしますw
#以前、渋谷で行われた広告エンジニアが集う飲み会で、実際に業務でリアルタイムでやりくりしている某氏が、
#”まぁ、でも、頑張れば出来そうだなって思うじゃないですか。やるだけですよ。”って仰ってたのが忘れられない。。
ちょっと話がソレましたが、この本で紹介されている、リアルタイムで1広告配信ごとにやりくりするというのは、
エンジニアとしては考えるだけでもワクワクするものだったりします。
あちこちと繋いで、オークション形式で落札して、すぐさま世界中に広告配信。
この一見複雑に思える仕掛けが、リーマンショックで仕事にあぶれた金融工学系のエンジニアによって、
というのもまた興味深いところです。
もちろん、この本はエンジニアにだけに向けて書かれた本ではなく、経験豊富な著者による実際の例を用いた
認知⇒欲求⇒獲得といった流れのロジカルな解説は、マーケティングに関わっている人には
一読の価値があるのかな、と思います。
ただし、こういったターゲティング広告は常に個人情報の取り扱いとのトレードオフのような部分があり、
この本で出てくるようなマーケティング手法に違和感と言いますか、セキュリティ的にどうなの?という
印象を持つ人も多くいると思います。
元広告エンジニアとしては、個人をターゲットにしているのではなく、
あくまでもインターネット上を流れる膨大なトラフィック(オーディエンス)に対して仕掛けているのだから、、
といった感覚もあるのですが、今後出てくるブラウザの仕様がよりトラッキングしにくい物になるらしい
という情報もあったり、今後も群雄割拠なエキサイティングな状況が続いていくのかなと思います。
オンライン広告関連だと↓も面白そうです。こちらは電子書籍なさそうなので日本帰ってから読ませていただきます。
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